3.会社法【総論】
こんにちは、marginal62です。
台風が近づいています。愛知県は4日に近づき上陸と言われていますが、なんだか今年は台風に悩まされることが多いように感じます、、
それはさておき、今回は会社法を取り上げてみようと思います。
素材は、伊藤靖史先生ほかが書かれたLEGAL QUEST会社法【第3版】です。
ロースクール生にはお馴染みの一冊です。
今回は、第一章の総論の分野をレジュメ化です。
【目次】
1 共同企業と会社
2 会社法とは
⑴意義
⑵特徴
⑶種類
3 株式会社法
⑴特徴
⑵関連するキーワード
1 共同企業と会社
<企業とは?>
⇒事業活動から利益を得ることを目的とする主体や単位のこと。
企業には2種類存在。
個人企業⇒出資者が1人の事業。
共同企業⇒出資者が複数の事業。
<出資・出資者とは?>
出資⇒事業のための資金を提供し、事業活動によって生じる利益を受け取る地位を得
ること。
出資者⇒出資をする者。
※金融機関・従業員は出資者でない。
2 会社法とは?
⑴意義
実質的意義の会社法⇒会社の利害関係者(ステークホルダー)の利害の調整のための
様々なルール。
事業活動の主体・単位である企業が、会社という法的形態を
利用する場合の、その組織や運営について定める規定。
そのルールの主な目的は、会社をめぐる利害関係者の利害の
調整である。
主な利害関係者としては、株主と会社債権者がいる。(後述)
⑵特徴
会社共通の特徴として、①法人性、②営利性、及び③社団性がある。
①法人性
会社は法人とされる(会社法(以下、法令名省略。)3条)。(大切な規定)
法人とは、自然人以外の権利能力者である。
これは、法律関係を簡便にする効果をもつ。
<いつ法人格を取得するのか?>
⇒商業登記所においてその設立の登記を行ったとき(49、579)。
登記によって会社に関する一定の事項が公示されるため、当該会社と利害関係
をもとうと考える者はこれを参考にできる。
<権利能力の範囲は?>
⇒法人の権利能力は、定款その他の基本約款で定められた目的の範囲内に限られ
る。
「目的の範囲内の行為とは、定款に明示された目的自体に限局されるものでは
なく、その目的を遂行するうえに直接または間接に必要な行為であれば、すべ
てこれに包含される。」(最大判昭和45・6・24民集24巻6号625頁。株主代表
訴訟の事案。)
(前回の「その他」と「その他の」の違いがさっそくでてきました。詳しくは
前回の記事を確認ください。基本約款には、定款とはべつに寄附行為というも
のがありました。社団法人は、定款。財団法人は、寄附行為。)
このように、会社は出資者とは別に法人格をもつが、それを強調することによ
って 不都合な結果を生じる場合がある。そこで、妥当な結論を導き出すための
法理論として、法人格否認の法理がある。
<法人格否認の法理とは?>
⇒特定の事例に限り別の法人格であることを否定する法理論。
②営利性
法人は、会社などの営利法人と、公益法人などの非営利法人とに分類される。
このときの区別は、法人がその事業で得た利益を構成員に分配することが予定さ
れているか否かによる。
③社団性
<社団とは?>
⇒人の集合体の意味及び構成員が団体を通じて結合する団体の意味。
前者の場合の社団の対義語は、財団(財産の集合体)。
後者の場合の社団の対義語は、組合(構成員が直接に契約関係により結合する
団体)。
争いはあるも、ここでの社団は前者の意味と考える。
社団性、つまり人の集合体である会社では、1人の出資者だけで会社を設立する
ことはできるのか。この点、いわゆる一人会社は認められている。なぜなら、こ
れを認める実益は大きく、弊害は逆に少ないからである。よって、社団が人の集
合体であるというときは、複数人がいることは必要でない。
⑶種類
会社の種類としては、株式会社と合名会社、合資会社、合同会社が認められ、後3
者は持分会社と総称される。
株式会社の出資者(株主)は、会社に対しては出資義務のみを負う(104。有限責任)
持分会社の出資者(社員)は、会社債権者に対する責任の性質に応じて分類される。
すなわち、社員がすべて無限責任であるものは合名会社、無限と有限が混在する
3 株式会社法
⑴特徴
僅かな株式しか有しない株主の場合、株主は自ら経営に参画するインセンティブ
もなければ、経営の能力もない場合が多い。
(最初から、会社の経営に携わろうという意思がない)
そこで、株主としては自ら経営に参画するのではなく、経営のプロである取締役
を選任し経営を委ねることが合理的な行動であり、会社法もまたこれを前提とし
ている(326Ⅰ)。
よって、出資者である株主と経営者である取締役とを制度として別建てにした。
②株主の有限責任
先に述べた通り、株主は有限責任、つまり、会社に対して出資をする義務を負う
のみであり、それ以上の責任は負わない(104)。
③株式の譲渡性
株主が有する会社に対する資格・地位のことを株式という。
株式会社では、この株式を自由に譲渡できるのが原則である。
株式の譲渡は、投資の回収の一般的方法である。
しかし、株式会社は定款において、株式の譲渡を制限する定めをおき、譲渡制限
することが可能である。また、我が国のほとんどの株式会社が株式譲渡を制限す
る定款規定を置いている。一方、上場会社は、譲渡制限の定款条項がないことが
上場規則で要求されているから、上場株式は譲渡制限株式でない。
④機関の分化
株式会社では、会社の意思決定・運営に関わる機関が分化している。
憲法で学ぶ三権分立のイメージで、相互に監視し合う関係性がある。
詳しくは、第4章で。
⑵関連するキーワード
・定款⇒会社の組織と運営に関する事項を定める根本規則。
定款条項により会社の組織や内部関係を定めることができる(定款自治)。
<定款自治が許容される範囲は?>
⇒株式会社の場合には、株主(特に少数派)の権利を拡大する方向での定款
規定を認める法規定が多い。
当該条項の必要性(目的の合理性)と相当性(手段の合理性)を勘案して判断
すべきとする見解もある。
<法令と定款条項との関係は?>
⇒会社法29
・開示⇒EX.計算書類の義務的開示(440)
・資本制度⇒会社債権者保護の制度の一種。
会社財産の流出が無制限になされないようにする。
・公開会社⇒株式の譲渡制限を行っていない会社。
少なくとも1種類の株式について譲渡制限を行っていない会社。
対概念は、非公開会社。
・大会社⇒資本金が5億円以上、又は負債総額が200億円以上である株式会社。
対概念は、非大会社・中小会社。
・親会社、子会社
【参考文献】
今回は、会社法から、基本的事項である総則の分野をレジュメ化でした。
これから、より各論的な内容に入っていきます。
いわゆる論点というものが出てくると複雑なので、基本からおさえるのは大切なことですね。
ちなみに、私は会社法、嫌いです。
なんとか日が変わる前に投稿できました。(ほんとギリギリ笑)
明後日から北海道ですが、飛行機飛ばないかな、、
【次回】
たぶん、会社法続き